弁護士コラム~家事事件の現場から~家庭に関する法律相談を担当した弁護士がリレーでコラムを執筆しています。

養育費・婚姻費用の算定表が新しくなりました

2020年02月03日 離婚

1 養育費・婚姻費用とは

 婚姻費用とは、結婚中の夫婦の間で、収入の多い方から収入の少ない方へ支払うべき生活費などの金銭をいいます。夫婦に、未成熟子がいる場合には、その子の生活費も含まれます。

 一方、養育費とは、離婚した夫婦間で、子供と離れて住む親(非監護親)から、子供と一緒に暮らす親(監護親)に対して支払われる金銭をいいます。一般的には、養育費のほうが婚姻費用より金額が低く算出されます。

 養育費・婚姻費用のいずれも、当事者同士で話し合いがまとまるのであれば、どのような金額に決めようと自由です。しかし、当事者同士で金額等の話し合いがまとまらなければ、裁判所で、調停や裁判(審判)といった手続をとる必要があります。

2 算定表について

 裁判所の手続で養育費や婚姻費用の額を決める場合に基準となるのが、算定表です。算定表は、子どもの人数と子どもの年齢によって分けられています。子どもの人数と年齢に応じた表の中で、支払義務者の年収と権利者の年収とが交差する点が、養育費・婚姻費用の基準額になります。

 これまで使われてきた算定表は、平成15年に発表されたものでした。しかし、その後15年以上が経過する中で、社会情勢が変化したりしたために、平成15年当時の算定表では、金額が安すぎると問題になっていました。そこで、最高裁判所は、令和元年12月23日、約16年ぶりに算定表を改定しました。

 この改定によって、おおよそ毎月1万円から2万円が増額になるケースが多いようです。

  

3 「事情変更」との関係

 養育費・婚姻費用は、一度決まったとしても、その後に「事情変更」があった場合には、減額請求または増額請求をすることができます。それでは、算定表が新しくなったことは「事情変更」でしょうか。

 「事情変更」とは個々人のケースに生じた特殊な事情を指します。例えば、転職に伴う減収や扶養人数の変化があたります。ですから、算定表の改定は「事情変更」とは認められません。

 しかし、「事情変更」が生じた際に、新たな算定表で計算することは許されることになっています。

4 最後に

 すでに述べたように、裁判所では、養育費・婚姻費用の算定にあたり、算定表を用いることが多くあります。しかし、養育費・婚姻費用の額は、それぞれのケースの様々な事情が総合的に考慮されて、最終的に決まるものです。ご自分のケースではどれだけの養育費・婚姻費用が認められるのかについては、ぜひ法律相談をご活用ください。

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