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遺言書が見当たらない!?

2015年01月01日 遺言

今回は,遺言書についてお話しいたします。

1 被相続人が遺言書を作成していた場合,遺産は基本的に遺言書にしたがって相続されるということを皆さん良くご存知のことと思います。

また遺言書には,本人が所定の方式に従って単独で作成できる自筆証書遺言と,公証人の関与の下で作成する公正証書遺言に大別されることも知られているところです。

  多くのケースでは,遺言者は,生前に家族に対して自筆証書遺言の保管場所を伝えていたりしています。

他方で,ご相談を受ける際に,自分の両親,配偶者などが遺言書を作成しているかよくわからない,というケースも経験します。

家の中を探し回ってみると,生前良く使っていた机や戸棚の引き出し,仏壇の中に遺言書が保管されていたという経験談を耳にします。相続の際には,亡くなられた方が日頃よく使われた場所を丁寧に探すことが大切です。一見して遺言書とは分かりにくいものもあり,例えばチラシ裏面に書かれた遺言書が見つかったケースもございます。

遺言を作成する場合にも,自筆証書方式の遺言は誰にも内容を知られずに作成することができるというメリットもありますが,存在自体も知られないままになりますと生前の希望が実現されませんので注意が必要です。

 

2 公正証書遺言は,作成時に原本が公証役場に保管され,遺言者には正本・謄本が交付されます。多くのケースでは,公正証書遺言の正本・謄本が家の中から見つかるか,遺言者が公正証書遺言を作成した旨をご家族に伝えていると思います。

しかし,死亡後に遺された家族が,生前に被相続人が公正証書遺言を作成したかわからない,ということもあるでしょう。

その場合には,全国にある公証役場で「公正証書遺言の検索」を申請する方法があります。相続人は,被相続人が生前に公正証書遺言を作成したか確認することができるのです。

そして公正証書遺言が作成されていることが判明した場合には,相続人は,公正証書遺言の謄本の交付を申請することができます。

 この公正証書遺言検索,謄本交付の手続きは,最寄りの公証役場ですることができ,公正証書遺言の原本が保管されている公証役場以外でも手続きできます。

 申請には,戸籍謄本などの書類や実印が必要になりますが,遺言の存否を確認する重要な手続きですから,履践することをお勧めします。

 

3 遺言書は,遺産分割に関する不必要な争いを防ぐ手段であるとともに,遺された家族(相続人)に最後の思いを伝えるものです。確実にご家族に内容が伝わるよう,遺言者もご家族も留意していただきたいと思います。

 

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