弁護士コラム~家事事件の現場から~家庭に関する法律相談を担当した弁護士がリレーでコラムを執筆しています。

遺言は何のため?

2007年04月01日 遺言

 遺言書は何のためにつくるのでしょう。
 勿論、相続争いをさけるためでしょう。
 でも、遺言書を書いておけば、残された家族の争いは避けられるのでしょうか。

 遺言書 遺産あらそい 火に油

というように、かえって遺言書が家族の争いの元になるかもしれません。
 これでは、何のための遺言書かということになります。
 
具体例を見てみましょう。

 
例1無意味型遺言
 
争いを避けるため、法律と同じく平等に財産を分ける遺言。
 
仲良く平等に分けなさいということでしょう。でも平等なら、遺言書を一体何のために作ったのでしょう。腰が引けすぎた型といえます。

 例2強引型遺言
 
逆に、長男だけに財産を全て譲るというように、特定の相続人に財産を分ける遺言。大好きな子供だけに財産をあげたい、というのも結構でしょう。
 
でも、財産を貰えない子供は傷つき、遺留分(遺言でも否定できない相続人の取り分)を要求し、揉め事が始まります。相続分を変更するなら、その合理性、遺留分など不利益者への配慮など、細やかな気配りが必要となります。

 
例3、難解型遺言

遺言の内容が、仲良く暮らせという言葉のられつばかりのもの、あげるという財産がどこにもないもの、分け方の決め方がはっきりしないもの等々。
 
これらは、要するに何をしたいのか、はっきりわからない遺言です。
 遺言書を、古文書の読解作業にしてほしくありません。

 
例4更新必要型
 
遺言書を作ったものの、その後長生きをされたため、周囲の事情が変わったのに、作り直さないままになった遺言書も厄介です。
 
遺言書も更新が必要という例でしょうか。

  こうした意味のない、逆に有害な遺言書が世の中に多いのは、残念なことです。別に遺言書に罪があるわけではありません。
 
遺言書をつくる目的と遺産のよい分配方法を考えてください。

 例えば、
 
遺言書で、何をしたいかを考える
 法律で決まった取り分以上のものを特定の家族にあげるなら(自分の面倒をみてくれた長男、長女にたくさん財産をあげるときなど)、その内容とあげる遺産の明細などをはっきりさせることです。

 
遺言書を見て家族がどう考えるかを想像する
 遺言書の内容を見て家族が納得するか反発するかを考え、反発しそうな家族に配慮をすることも忘れるべきではないでしょう。遺留分だけでなく、分け方の工夫など、知恵を絞る必要があります。

 
遺言書の文章、内容を明確にする
 最低、遺言書の意味をはっきりわかりやすく書きます。法律実務上決まった定型表現があり、それに従うと明確になります。

 
遺言書を書くことを簡単だと思いこまず、専門家に相談する
 
自筆証書遺言、公正証書遺言いずれでも、作る前に専門家の相談をお勧めします。
 
遺言書を作る作業のみならず、遺言書を作る理由の中に、大切で重要な法律問題が隠されていることが多いからです。

 
弁護士会家庭法律相談センターでは、経験豊かな弁護士が遺言の相談をおうけしております。
 
ぜひ気楽にご相談下さい。


 ※来る414日(土)
 「良い遺言の日並びに弁護士会家庭法律相談センター開設五周年」を記念 し、「記念講演」と「無料相談会」を開催いたします。
  何れも参加無料です。ご参加をお待ちしております。

 

 

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