弁護士コラム~家事事件の現場から~家庭に関する法律相談を担当した弁護士がリレーでコラムを執筆しています。

メールによる面会交流?

2016年09月01日 離婚

1 子供との面会交流について最近扱った事例の気になったことです。離婚を求めて別居した妻が監護親で夫が 小学生の子ども達との面会交流を求めました。
  審判により「相手方(母)は、申立人(父)が未成年者と携帯電話のメールを交換することを妨げてはならない。」との条項が認められました。調停から始まり審判、抗告と紆余曲折があり、父親はあくまで直接面談による面接交流を求めましたが、母親が抵抗して「子供達が会いたくないと言っている。」と主張して譲らないことから、裁判所としては妥協の産物としてメール交換を認めることにしたものと思われます。
  子供にも携帯電話とメールが普及した時代こその新たな面会交流のあり方かと感心してしまい、依頼者(父)もしぶしぶ納得してくれていました。

2 ところが、父親がいくらメールを送っても子ども達からは梨の礫です。面会交流に反対していた監護者である母親から子ども達に無言の圧力がかかっているのではないかと疑いたくもなります(あるいは、もっと積極的に妨害がなされているかもしれませんが・・・)。依頼者である父親は怒り心頭で、「最初からこんな方法では子ども達と交流などできないのだ、先生は甘い。」と怒られる始末でした。

3 審判官は最初から、監護者の母親が反対している以上面談による面接交渉の実現は難しいと弱腰でしたし、その代わりのメールによる交流だったはずです。ところが、裁判所がいくら認めても父と子のメール交換は実現しません。さらに、母親から「子ども達が返信したくない。」と言っている、と開き直られる可能性すらあります。
  最高裁の決定では面会交流の具体的内容が定められていない場合は間接強制も認められませんので(平成25年3月28日)、上記の審判条項では間接強制による面会交流の実現もできません。

4 メール交換による父親と子ども達との交流、面会交流の一方法として是非実現して貰いたいと願っておりましたが適わぬまま、他にこれを実現させるための良い手段があるか、夏休みの宿題となっています。
                                 以上

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