弁護士コラム~家事事件の現場から~家庭に関する法律相談を担当した弁護士がリレーでコラムを執筆しています。

財産分与の対象となる財産

2016年08月01日 離婚

離婚の際に問題となることの一つとして,財産分与の問題があります。財産分与とは,夫婦が婚姻中に築き上げた財産を,離婚する際や離婚した後に分けることをいいます。

財産分与には,①夫婦が共同生活中に協力して取得した財産の清算(清算的要素),②経済的に弱い側の離婚後の生活に対する扶養(扶養的要素),③浮気等で離婚の原因を作った有責配偶者に対する損害賠償(慰謝料的要素)の3要素が含まれているとされています。この中で財産分与の中心的な要素とされているのが①の清算的要素であり,この清算的要素の観点から決められる財産分与のことを清算的財産分与と呼びます。

清算的財産分与を前提とした場合,財産分与の対象となるのは,夫婦が婚姻してから別居するまでの間に二人で協力して取得した財産です。では,具体的にどのような財産が財産分与の対象となるのでしょうか。

まず,名実ともに夫婦で共有している財産(共有財産)があります。例えば,夫婦の共同生活に必要な家財道具,夫婦共有名義で購入した不動産などです。

また,名義上は夫婦どちらか一方の所有であったとしても,実際には夫婦が協力して取得したといえる財産(実質的共有財産)であれば,財産分与の対象となります。よくあるものとしては,夫婦の一方の名義で取得した不動産,自動車,預貯金,などがあります。

他方,名実ともに夫婦の一方が所有する財産(特有財産)は,夫婦で協力して取得した財産とはいえないため,財産分与の対象とはなりません。例としては,夫婦の一方が婚姻前から持っていた財産があります。また,婚姻後に取得した財産であっても,親族等から贈与を受けたものや相続で取得した財産などは,夫婦で協力して取得した財産ではないため,財産分与の対象とはなりません。

財産分与を考えるにあたっては,どの財産が財産分与の対象となるかをめぐってトラブルとなる可能性があります。お互いの財産関係を改めて整理し,何が財産分与の対象となるかを検討することが大切です。

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