弁護士コラム~家事事件の現場から~家庭に関する法律相談を担当した弁護士がリレーでコラムを執筆しています。

離婚の際の4つのポイント

2015年08月03日 離婚

1 幸か不幸かの判断はつきかねますが、離婚は皆さんの人生にとって結婚以上の大きな出来事、重大事項に間違いありません。そして、離婚という事態に陥った場合、考えておかなければならない幾つかのポイントがあります。


2 未成年の子供の有無
離婚に際して未成年の子供がいるかどうかは大きなポイントです。その子供がいれば、親権者をどうするのか、養育費をどうするのかを考える必要があるからです。逆に言えば、未成年の子供がいない場合、親権者と養育費の問題を考える必要がないことから、離婚がまとまることは未成年の子供がいないケースより比較的簡単かもしれません。
未成年の子供をめぐっては子供を確保したいという親権が争われるケースがありますが、母親側に大きな問題がなければ、親権は母親側に認められるケースがほとんどだと言っても過言ではありません。


3 財産の有無
離婚に際して、財産がある場合にはそれをどのように分けるかという財産分与が問題となります。財産分与は夫婦の婚姻期間において築き上げた財産の清算ですから、離婚の場合婚姻期間に2人で築き上げた財産がいくらあるのかが重要です。ですから、婚姻前からの財産、特別な事情により取得した財産(例えば、婚姻期間に夫婦の一方が取得した相続財産など)はそもそも夫婦が2人で築き上げた財産ではありませんので財産分与の対象外になります。財産分与の対象となる財産を夫婦共有財産と言いますが、その夫婦共有財産があるのか、その額がどの程度あるのかが、離婚を決断する際の1つのポイントになります。
よく問題となるのは、夫が預貯金を管理しているケースで、その銀行がどこにあるのかが判らない場合です。夫が預貯金の存在を否認すると、妻側でその存在を立証する必要に迫られますので、普段から預貯金の預け入れ金融機関を把握しておくことが重要です。


4 借金の有無
夫婦共有財産以上に大事なことは借金の有無です。離婚の場合問題となるのは住宅ローンの問題です。結婚後にマンション等を購入した場合、これは夫婦共有財産ですからその清算が問題となります。住宅ローンがなければ売却による清算等が可能ですが、マンション等の時価より住宅ローンの額が超過するオーバーローンをどのように処理するかが問題となるのです。負の資産の問題処理ということです。いろいろな選択肢はありますが、住宅ローンを長期間かかえていくのは夫婦の再出発にとって望ましいことではありませんので、住宅ローン債務を圧縮することが望ましいのではと私個人は考えております。ですから、売却処理後圧縮した住宅ローン残債を返済する方法を採るのがよいのではないでしょうか。ただ、マンション等を売るためには、そこに居住する相手の退去が必要にはなりますが。


5 離婚後の生活力
離婚を考える場合、離婚後の生活力を考えておく必要があります。夫婦それぞれ仕事を持ち一定の収入があれば問題ありませんが、一般的に妻は夫に比べ専業主婦やパート等の場合が多く、離婚後の収入が低いケースが多々あり、安易に離婚してしまうと離婚後の生活に困ることがあります。これは難しい問題です。妻の離婚後の生活を一定限度保証するという扶養的財産分与という考え方もありますが、その額には限度があり、そもそも財産のない夫婦にとっては深刻な問題となります。ですから、離婚に際しては、離婚後の生活をどのようにするのかを考えておく必要があります。ですから、場合によっては離婚を選択せず相手から婚姻費用(生活費)をもらって生活を維持していくという選択肢もあり得るのです。


6 最後に
離婚は人生における重大な節目です。しかし、年齢等によっては再スタートをきる1つのチャンスかもしれません。また、離婚か否かは相手の戸籍に入っているだけの問題という割り切った考え方もできるかもしれません。そうしますと、既に婚姻関係が破綻している以上、籍を抜くために離婚にこだわらないという選択肢もあり得るのです。

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