弁護士コラム~家事事件の現場から~家庭に関する法律相談を担当した弁護士がリレーでコラムを執筆しています。

離婚慰謝料の相場

2014年08月01日 離婚

   離婚する時、当然に慰謝料が発生すると思っている方はたくさんいらしゃると思いますが、法律上はそうではありません。離婚しても常に慰謝が発生するわけではないのです。慰謝料は、不倫、暴力、虐待、家庭放棄といった違法行為がある場合に発生するのであり、それ以外の性格の不一致、通常の夫婦喧嘩といった理由だけでは相手に対する違法行為がありませんので慰謝料は発生しません。ですから、離婚を考える際には、配偶者に違法行為となる問題行動があるかを考える必要があります。

  では、慰謝料が発生するとして、どの程度の慰謝料が請求可能なのでしょうか。結論から言うと、東京家庭裁判所では500万円以上の慰謝料は原則としてないと思って頂いてよく、一般的な事例の慰謝料は100万円から300万円程度だと思われます。そして、婚姻期間の長短、子の有無と年齢、違法行為の長さ、離婚あるいは婚姻関係破綻に至っているか等の要素により慰謝料の金額が決まることになります。そして、慰謝料の大まかな目安は200万円前後ではないでしょうか。

  そうしますと、慰謝料1000万円を請求する離婚訴訟というのが散見されますが、1000万円もの慰謝料を払うべき事件はないということになります。よく芸能人の離婚で慰謝料何億円という報道がありますが、その慰謝料というのは本来の慰謝料ではなくおそらく財産分与を指しているものと思われます。ですから、一般の方が芸能人の報道上の慰謝料金額に惑わされ、自分の慰謝料も1000万円程度はあると誤解されることが多いのではないでしょうか。なお、慰謝料以外に夫婦共有財産の分与は別途問題になります。夫婦共有財産(夫婦が婚姻期間に共同で築いた財産)が多ければ、名目はともかく離婚の際に受け取る財産的利益は大きくなります。慰謝料と言うか財産分与と言うかはともかく、受け取る利益が大きいほど依頼者の満足度は大きくなるのは事実です。ですから、離婚に際しては慰謝料にこだわらず、受け取る総額をどれだけ最大化出来るかを考えるべきです。


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