弁護士コラム~家事事件の現場から~家庭に関する法律相談を担当した弁護士がリレーでコラムを執筆しています。

ドメスティック・バイオレンス被害者への対応

2011年06月01日 離婚

  平成21年度中に全国の警察が被害届や相談で認知したドメスティック・バイオレンス(以下「DV」と言います。)は前年に比べ11.7%増の2万8158件で,年間統計を取り始めた平成13年以降で最多となりました(警察庁調べ)。全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられる相談件数も年々増加しています(平成18年度5万8528件,平成19年度6万2078件,平成20年度6万8196件。内閣府男女共同参画局調べ)。更に,平成19年に改正された「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(以下「DV防止法」といいます。)」が平成20年1月に施行されて被害者保護の拡充が図られたこともあり,平成20年度中の接近禁止等保護命令事件の認容数も前年比13.2%増の2534件と大幅に増加しています(最高裁判所調べ)。

ところが,総務省は,平成21年5月,DV防止法に基づく行政機関の対策につき「不十分」とする政策評価を公表し,内閣府など6府省に対して,自治体へのDV対策に関する情報提供や助言,要請などを進めるよう改善を勧告しています。

また,DV被害の相談を受ける弁護士等職務関係者の認識も深まっているとは言えず,相談時の対応による二次被害の虞も否定できません(参照 内閣府男女共同参画局「『配偶者からの暴力の被害者対応の手引き』http://www.gender.go.jp/e-vaw/book/index.html)。

そこで今回は,DV被害の具体的事例をもとに,DV被害者への対応について,掘り下げて考えてみたいと思います。

1.事案の概要

 Aさん(32歳・主婦)は,夫(34歳・中小企業のサラリーマン)と子ども1人(長男4歳)の3人家族,東京都内のアパートに住んでいます。Aさんは,もともと夫の勤務先でアルバイトをしていましたが,職場内で夫と知り合って交際し,約5年前にいわゆる「できちゃった結婚」をしました。

夫はどちらかというと内向的なタイプで,結婚する前はそれがむしろ可愛らしく思えたほどですが,いざ結婚・同居してみると,それまで知らなかった夫の身勝手で粗暴な性格が明らかになってきました。

夫は,結婚・同居当初から,仕事から帰ってくると,あまり口をきかずに,Aさんが用意した夕食を食べて,ゲームばかりやっています。休日はパチンコばかりです。Aさんに内緒で消費者金融などからも借金があるようです。生活費は毎月夫から手渡されますが,生まれてくる子どもや生活費の事を相談しようとすると,急に不機嫌になって,Aさんのほうにお茶碗を投げつけたり,大声で怒鳴ったり,突き飛ばされて殴られたりすることが,ほぼ毎日続きました。長男が生まれると,夫は更にイライラしてAさんに当たるようになりました。長男の夜泣きがうるさいと夫が怒るので,真夜中でも家の外であやすことが何度もありました。夫は長男が高熱を出したときですら知らん顔で,病院への送迎も何も手伝ってくれません。それどころか,少しでもAさんが不満を述べようものなら,逆上して,Aさんを怒鳴り散らし,馬乗りになって顔面を殴られることすらありました。

このようにAさんや家族には酷い仕打ちをする夫ですが,そんな仕打ちの後ほど妙に優しく謝ったり諭すような態度を取ってきます。仲が良くなれば,求められるままに夫婦関係もありました。もともとAさんも夫のことが好きで結婚したので,優しくされると嬉しかったですし,酷い仕打ちをされたこともだんだん許せるようになり,それどころか,むしろ夫を怒らせた自分が悪いかのように思い込んでいました。

それでも,仲の良い期間は長く続かず,夫は些細なことを見つけては,すぐにAさんに怒鳴り散らしたり,暴力を振るうなどの酷い仕打ちの繰り返しでした。Aさんは自分さえ謝れば夫と仲良くできると思い,いつもビクビクと夫の御機嫌を伺い,謝ってばかりでした。

 そのうちに,夫の勤務先の経営状態が傾き,夫の給料や賞与も減額されてしまったので,夫から渡される生活費も少なくなってきました。Aさんは夫の収入だけでは家計が苦しいので,家事や子育てと並行して,パートの仕事を始めました。しかし,夫はまるで家事や子育てを協力してくれず,暴力の頻度や度合いも増してきました。

そしてついに,先日,Aさんが思わず夫のパチンコや借金についてなじったことから,夫は逆上し,台所から包丁を持ち出し,大声で怒鳴りながら切りつけてきたので,Aさんは驚いて,長男を連れて着の身着のままで友人宅に駆け込み,匿ってもらっています。

夫は,別居後もAさんの実家・勤務先・長男の学校にまで徘徊し,Aさん母子の様子を伺っているようです。一日に何十件もメールをしてくることもありますが,その内容は「お前をいつも監視しているぞ」とか「ぶっ殺してやる」とか「どんな手を使ってでも子供を奪い返してやるからな」など怖い内容ばかりです。また,児童手当が夫の口座に振り込まれ続けていますが,夫は生活費を送ることもありません。Aさんは怖くて,どうしたら良いか分からず,自分ばかりを責めています。そんなAさんを見かねて友人がAさんを連れて弁護士に相談しました。

2.弁護士の法律相談における心構え(二次的被害を生じさせないように)

 DVは,夫婦という特別な関係の間の暴力であるために潜在化しやすく,しかもその重大性について加害者の認識が薄いという傾向があるので,周囲も気づかないうちに暴力がエスカレートし,被害が深刻化しやすいという特殊性があります。

そのため相談者は主訴として「DV被害」を明確にして相談に来るとは限りませんので,問題の背景としてDV被害の可能性があることを見抜いたら,少なくとも相談を受ける側が二次的被害を与えないように心がけなければなりません。

例えば,①相談者の話をじっくり聞かず,ふんぞり返ったり,イライラしながら話したり,「あなたは~すべきだ」などと高圧的に決め付けるような言動は,DV加害者と相談者との「支配関係」が相談の場において再現され,相談者に精神的苦痛を与えることになりかねません。また,②DV加害者と相談者との関係において,仲の良い時期と加害時期を繰り返しながら,次第に「支配関係」が構築され,被害が深刻化していくという特質があることを理解せず,「なぜ早く別れないのか?」「長男を産んでいるし,その後も夫婦関係もあるなら仲は良いのではないか?」などと無神経な質問をすることも絶対に避けるべきです。

ただ,相談者の中には,夫婦の問題が単に「性格の不一致」に過ぎなかったり,DVとはとても言えないような場合であるにも関わらず,自分を正当化したいがために大袈裟にDV被害者であることを訴える人も居ます。このような場合であっても頭ごなしに相談者の主張を否定することは厳に慎むべきであり,優しく「DV」の定義から説明し,後日予想される裁判手続において自己の主張を基礎づける証拠が必要となることを懇懇と説明するしかないでしょう。

そこで弁護士等相談を受ける側も「DV=配偶者からの暴力」の定義をキチンと把握しておく必要があります。即ち,DV防止法においては「DV=配偶者からの暴力」とは「配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(以下「身体に対する暴力等」と総称する。)」を指します。単に意地悪をされ続けたとか,経済的に困窮させられたとかといった場合は,広い意味でのDVには含まれますが,DV防止法におけるDVには該当しません。

本件においては,AさんはDV被害に遭っているにも関わらず,夫の支配下におかれているがゆえに,これがDV被害であることをも深く認識せず,自分を責めていますので,弁護士は,Aさんに対して,Aさんが置かれているDV被害者という立場を優しく説明してあげる必要があるでしょう。

そのうえで,弁護士は,Aさんの住む場所の確保やその後の生活再建のために,配偶者暴力相談支援センターに連絡し,また,夫からの危険の排除のために必要であれば警察に相談し,かつ,DV防止法上の保護命令申立を行い,更に,夫との離婚手続を進めていくことになります。

3.配偶者暴力相談支援センター

DV防止法第3条に基づき,都道府県に必ず1か所は設置されており,市町村にも設置することが努力目標とされています。もともと売春防止法上設置されていた婦人相談所等が同センターとしての機能を合わせ持つこととされており,DV被害の相談,心理学的・医学的判定・指導や一時保護(シェルター)だけでなく,就業の促進,住宅確保,教育扶助・生活保護等の援護,DV被害証明書の発行なども業務として行っています。

本件においても,着の身着のまま逃げ出してきたAさん母子の一時的な居住場所を提供し,DV被害の相談やカウンセリングを実施してくれました。

4.DV被害に関する警察の対応

 警察は,暴行脅迫について犯罪として検挙することはもとより,裁判所の保護命令の発令への協力(DV被害者からの相談対応票を提出する等),発令後に受ける通知によるDV被害者及び加害者の把握,保護命令違反に対する刑事事件としての対応,DV防止法でカバーできない範囲の犯罪行為に対する対応等を行い,幅広くDVにまつわる被害に対応します。

 なお,後述の通り,DV被害者が配偶者暴力相談支援センターや警察にDV被害の相談に行かずに保護命令を得ようとする場合,公証人の認証あるDV被害者の宣誓供述書の提出が必要となり(DV防止法第122項),煩雑です。そこで,DV被害の相談を受けた弁護士は,DV被害者が配偶者暴力相談支援センターや警察にDV被害の相談に行ったかどうか確認し,行っていないようであれば速やかに相談することを勧めるべきでしょう。

この「相談」には電話相談は含まれませんが,DV被害者が代理人を通じて相談した場合も含むと考えられています。

 一昔前ですと,警察に相談に行っても「家庭内の揉め事を持ち込むな」という冷淡な対応をされることがしばしばあったようですが,現在では比較的積極的に対応してくれるようです。

5.DV防止法に基づく保護命令

保護命令とは,被害者の生命又は身体に危害が加えられることを防止するため,裁判所が被害者からの申立により,身体に対する暴力や生命等に対する脅迫を行った配偶者に対し,一定期間,被害者または被害者の子や親族等へのつきまとい等の禁止や,被害者とともに生活の本拠としている住居からの退去などを命じるものです。 

(1) 保護命令には,以下の5種類があります。①被害者への接近禁止命令を基本としながら,事案ごとに必要に応じて組み合わせて申し立てることになります。

 ① 被害者への接近禁止命令

   6ヶ月間,被害者の身辺につきまとい,またはその通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命じます。

 ② 被害者への電話等禁止命令

   被害者への接近禁止命令期間中,面会要求,無言電話・連続メール,その他の行為(監視していると思わせるような言動をする。著しく粗野又は乱暴な言動をする。汚物・動物の死体等著しく不快・嫌悪の情を催す物を送りつける。名誉を害する言動をするなど。)をしてはならないことを命じます(平成19年改正により拡充)。

 ③ 被害者の子へ接近禁止命令

   被害者への接近禁止命令期間中,被害者の同居している子の身辺をつきまとい,またはその通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命じます(平成16年改正により拡充)。

 ④ 被害者の親族等への接近禁止命令

   被害者への接近禁止命令期間中,被害者の親族その他被害者と社会生活において密接な関係を有する者の身辺をつきまとい,またはその通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命じます(平成19年改正により拡充)。

 ⑤ 退去命令

   2ヶ月間,被害者とともに生活の本拠としている住居から退去すること及びその住居の付近をはいかいしてはならないことを命じます。退去命令が効力を生じると,可及的速やかに退去しなければなりません。いったん出て行った後に戻ってきても,命令違反となります。

(2) 保護命令の要件(DV防止法第10条)

 ア 実質的要件

被害者

配偶者からの身体に対する暴力を受けた者 が 配偶者からの更なる身体に対する暴力→

配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた者 が 配偶者からの身体に対する暴力→

離婚・婚姻取消後に,配偶者であった者から引き続き受ける暴力も含む。

→により,生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいとき

「被害者」とは,「配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫を受けた者」に限られ,単にこの「配偶者」には事実婚の場合も含みますが(DV防止法第1条第3項),単なる恋人同士は含みません(別途刑法やストーカー行為等の規制等に関する法律等により対処されることになります。)。「暴力」は刑法上の暴行罪・傷害罪の構成要件に該当するような行為であり,「脅迫」は刑法上の脅迫罪に当たるもののうち「生命又は身体に対し害を加える旨の告知」です。これに当たらない精神的暴力や性的暴力を受けていても該当しません。 

更に,③「同居の子」への接近禁止命令については「配偶者が幼年の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っていることその他の事情があることから,被害者がその同居している子に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するために必要があると認めるとき」である必要があります(当該子が15歳以上である場合には,その子の同意も必要です。)。

また,④「親族等」への接近禁止命令については,「配偶者が被害者の親族その他被害者と社会生活において密接な関係を有する者の住居に押し掛けて著しく粗野又は乱暴な言動を行っていることその他の事情があることから,被害者がその親族等に関して配偶者と面会をすることを余儀なくされることを防止するため必要があると認めるとき」であることが必要となります(親族等の同意も必要です。)。

 イ 形式的要件

   警察又は配偶者暴力相談支援センターへの相談か,無ければ公証人の面前において作成した宣誓供述書が必要となります。

(3)  保護命令の実効性担保

保護命令は,その違反につき刑罰(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金。DV防止法第29条)を科して実効性を担保する非訟事件の一種です。但し,民事上の執行力はありません(DV防止法第15条第4項)。

相手方が,保護命令違反を犯す場合には,すぐに警察に連絡をし,逮捕等の対応をしてもらうことになります。

(4) 本件におけるあてはめ

 ア Aさんは,日頃夫から暴行脅迫を受けており,別居当日も夫から包丁で切りつけられています。そして,夫は一日に何十件も「ぶっ殺してやる」等のメールを送りつけ,Aさんの実家等をはいかいしており,更なる身体に対する暴力により生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいと言えますので,Aさんは「被害者」に当たります。

 イ 夫は,Aさんの実家や勤務先をはいかいしていますので,①被害者への接近禁止命令を申し立てることになります。

 ウ そして,夫はAさんに対して一日に何十件もメールをし,その内容が「お前をいつでも監視しているからな」「ぶっ殺していやる」などというものですから,②被害者への電話等禁止命令も申し立てることになります。

 エ また,Aさんの実家や長男の学校の周辺をはいかいしたり,「どんな手を使ってでも子供を奪い返してやるからな」などと述べていますので,③被害者の子への接近禁止命令や被害者の親族等への接近禁止命令を申し立てることになります。

 オ 更に,Aさん母子は着の身着のまま家を飛び出していますので,洋服や生活必需品等を運び出す必要もあるでしょう。そこで,⑤退去命令も申し立て,2ヶ月間の退去期間内に,それらの荷物を運び出すことになるでしょう。

(5) その他の重要な問題

ア 生活保護の問題

  DV加害者である夫が勤務先まではいかいするような場合,安全のために仕事まで辞めなければならないこともあります。確かに夫には別居後も妻子の扶養義務はありますが,DVのケースでは婚姻費用を請求することが困難なことが多いです。それゆえ,このような場合,離婚成立していなくとも生活保護の申請が可能です(なお,被害者保護のため,DVのケースにおいては,扶養義務のある夫に確認の連絡等はなされない取り扱いとなっています。厚生労働省通知「生活保護法による保護の実施要領の取り扱いについて」)。

イ 児童扶養手当の問題

  離婚が成立していなくとも,父親から「引き続き1年以上遺棄されている児童」については支給されます。この「遺棄」の定義については「妻が子を連れて家出した場合であっても,父の酒乱,暴力行為,女性関係,犯罪行為,サラ金借金,ギャンブル狂等のため,父の監護意思及び監護事実が客観的に認められず,かつ母に離婚の意思がある場合には,父の居所が判明している場合,妻子が父の扶養家族の取り扱いを税法上されている場合であっても,「遺棄」に該当するとされていますので(厚生労働省通知「児童扶養手当の遺棄の認定基準について」),DV被害者が子供連れで家を出て,離婚の意思が明らかであれば「遺棄」に当たるでしょう。

ウ 住民票や戸籍の附票の取り扱いについて

  「住民基本台帳の一部の写しの閲覧及び住民票の写し等の交付に関する省令及び戸籍の附票の写しの交付に関する省令」の一部が改正され,平成1671日から,DV被害者やストーカー被害者からの申請があった場合には,加害者からの住民票や戸籍の附票の閲覧交付申請を,1年間,役所が拒否できるようになりました(加害者を代理する弁護士等からの請求も同様です。なお,延長も可能です。)。

  ただ,この取り扱いは完全ではないですから(加害者が第三者を通じて取得することは防げない,裁判上の書類には住民票上の住所が掲載されるなど。),この取り扱いを受ける場合でも,加害者に知られても構わない住所地に住民登録したほうが無難でしょう。

エ 健康保険について

  多くの場合,DV被害者は子供とともに加害者である夫の扶養家族として健康保険給付を受けていますので,別居後病院にかかった場合,医療費の請求が加害者の健康保険組合に届き,DV被害者がかかった病院が加害者に知れてしまいます。

  そこで,加害者の健康保険が国民健康保険の場合には,世帯分離をすることによって妻名義の健康保険を取得することが可能です(DVの場合には,住民登録が無くても現住所がある役所で取得可能です。)。

  また,加害者の健康保険が社会保険の場合には,被害者が自分の勤務先の社会保険に入ることにより自ら健康保険証を取得できます。そうではなく国民健康保険に入る場合には,加害者である夫に資格喪失手続の協力を求めるのは困難ですから,配偶者暴力相談支援センターの証明書等の公的証明書を提出して,職権による資格喪失手続を取ることも可能です(厚生労働省通知「配偶者からの暴力を受けた者に対する被扶養者資格の取り扱いについて」)

オ 子供の学校について

  DV被害者の子供は,住民登録をしていなくとも,居住地域の学校に通うことができます。もしも,加害者である夫から以前の学校に問い合わせ等があっても,以前の学校関係者はDV防止法23条1項「職務関係者」に当たり,被害者の安全確保や秘密保持に配慮する義務を負いますので,転校先を回答されることはないでしょう。

4.終わりに ~その後の手続~

  Aさんは,その後,代理人弁護士を通じて,夫に対して婚姻費用を請求しましたが,夫は「勝手に出て行ったくせに,金を払えとは何事だ」と争ってきましたので,結局,婚姻費用請求調停を申し立て,これによってようやく解決されました。

次に,Aさんは,夫に対して,離婚調停を申し立てましたところ,夫は「自分は全く悪くない。離婚に至ったのは,Aが家事・炊事・育児を疎かにしたからである。親権者には自分が相応しい。実家の母親が面倒をみてくれる。」などと争ってきましたので,結局調停不調に終わり,離婚訴訟を提起し,結局勝訴判決を得て,解決しました。

  このようにDV案件は,離婚の問題を含めて全面解決に至るまでには,長い時間と多大な労力が費やされることが多いです。

弁護士会家庭法律相談センターでは,DV専門の相談窓口を作り,DV問題に詳しい弁護士による法律相談を実施しています。どうかお一人で悩まずに,お気軽にお問い合わせ下さい(http://katei-houritsu-soudan.jp/reserve/dv.html)。

以上

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