弁護士コラム~家事事件の現場から~家庭に関する法律相談を担当した弁護士がリレーでコラムを執筆しています。

祖父母の面接交渉について

2010年11月01日 離婚

  このコラムでも,面接交渉については,触れられています。今回は,親ではなく,その一つ上の祖父母の面接交渉について触れてみたいと思います。

離婚後,一方の親が親権者及び監護権者となり,一方は非監護権者となることが通常です。また,離婚する前に,一方の親が子供を連れて家を出て行くことは珍しいことではありません。そして,監護している親が子供と会うことに同意していなかったり,連絡をとらせなかったりした場合には,監護していない親が子供に会うためには,現実的には面接交渉を求める調停を申立て,調停の中で話し会い,それができない場合には,審判で裁判所に決定してもらうということになります。

では,離婚後や別居後,非親権者・監護者の方から祖父母に孫を会わせたい場合どうしたらよいでしょうか。以前,同様の相談を受けたことがあります。

面接交渉権とは,本来,離婚後親権者若しくは監護者とならず,子を監護していない親が,その子と個人的に面接したり文通したりする権利であることから,一般に,祖父母には孫に会う権利,面接交渉権は認められていません。そうすると,相手方である親権者が同意してくれないとなかなか会うことができないのが現状です。

ただ,裁判所による手続が一切とれないのかと言われるとそういうわけではありません。少し特殊な事例ですが,祖父母に対して面接交渉を認めた事例として,東京高決昭和52年12月7日家庭裁判月報30巻8号42頁があります。この事案は,親と子が生まれてから監護していた祖父母の争いであって,祖父母には長い間の監護実績があり,現在,子が祖父母に心の底からなじんでいるという事案でした。裁判所としては,この状態を変更すれば子の福祉に悪い影響を与えるとの点から,経過期間として今まで監護していた祖父母にも面接交渉を認めたものだと思います。

このように,祖父母に対して,面接交渉を認めるのは,なかなか難しいと思います。筆者としては,祖父母に会うことが子の福祉に悪影響を及ぼすとは思えません。立法政策なのかもしれませんが,祖父母が会うことに悪影響が明らかではないのであれば,裁判所は積極的に認めてもよいのではないかと思います。

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