弁護士コラム~家事事件の現場から~家庭に関する法律相談を担当した弁護士がリレーでコラムを執筆しています。

離婚~子供の奪いあい

2010年06月01日 離婚

  1、夫婦が離婚するといった場合、夫婦はもう共同して生活できないということになれば、やむを得ないとも言えるのかも知れませんが、夫婦間に子供がいれば、子供にとっては耐え難い場合もでてくるでしょう。そして親にとっても子供は渡せないとなれば、夫婦間の対立は深刻です。

  ある事案について述べます。

2、妻A子さんと夫B男さんは、協議の上、離婚することになりました。二人の間には長男、長女の子供がいました。いずれも幼稚園に通っていました。離婚の協議の際には、二人の子は、A子さんが引き取ることとなりました。(ただし、後述の審判では、B男さんは、A子さんが子供を引き取るという合意はないと主張しました。)

3、ところが、離婚の合意の翌日、B男さんより、涙ながらに離婚したら子供に会えなくなるので2~3日実家で子供と暮らしたいと訴えて来ました。A子さんもB男さんの真摯な態度に、これを承諾しました。しかし、B男さんは、約束の日となっても、子供は渡さないと言い出し、子供を帰すことを拒絶し、話し合いも出来なくなりました。

  こうして、子供たちは通っていた幼稚園にも行けなくなり友達にも会えなくなってしまいました。

A子さんは途方に暮れて、弁護士に相談に来ました。

4、このような場合、子の監護に関し必要な事項は、夫婦間で協議が整わないときは家庭裁判所が定めることとなっています。(民法766条1項)そこで、家庭裁判所に子の監護者としてA子さんと指定する旨の審判を求めると同時に、子供の日々の生活にかかわることで、速やかな解決が求められるので、すみやかに審理が得られるA子さんと指定する旨の審判前の保全処分を求めました。

  保全処分を求めることにより、裁判所はB男さんを呼び出して事情を聞いたり、さらに、家庭裁判所の調査官により、A子さんB男さん夫婦双方の住居、養育方針、考え、生活態度、生活環境、子供たちの様子・感情等を調査したりします。

5、その結果、裁判所も子供たちをA子さんの元へ返すべきであるとの判断に傾いたようで、ようやくB男さんと話し合いができA子さんは子供たちを取り戻し、一緒に生活することができるようになりました。

  ただし、この結果は、日頃からA子さんが子供たちの養育に真剣に取り組み、A子さんと子どもたちとの信頼関係が強固であり、B男さんに勝っていたと認められたことが大きいと思います。要するに親としての日頃の生活態度が重要ということです。

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