弁護士コラム~家事事件の現場から~家庭に関する法律相談を担当した弁護士がリレーでコラムを執筆しています。

離婚原因~性格の不一致~

2010年01月05日 離婚

 私が法律相談を受けている中で、一番多い事案はやはり「離婚」についてです。離婚したい理由については、相手方の浮気、暴力、浪費など様々ありますが、一番多いのはいわゆる「性格の不一致」だと思います。

 相談者に離婚したい理由を尋ねると、「性格の不一致です。」と答える人は少なく、多くの人は、相手方の嫌なところ、理解のできないところ、これまでにされてきた仕打ちなどを個々具体的に話してくれます。
そういったものが積み重なって、愛が冷めてしまったわけなのですが、その積み重なったものを一言で表すと「性格の不一致」ということになることが多いのです。

  では、「性格の不一致」は離婚原因として認められるのでしょうか。
もちろん、当事者間の協議や調停によって、離婚について合意が成立すれば問題ありません。
問題なのは、調停も不調に終わり、裁判になった場合、離婚が認められるかということです。
裁判上の離婚が認められるためには、民法第770条に定める以下の事由が存在することが必要となります。

① 配偶者に不貞な行為があったとき。

② 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

③ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。

④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

 「性格の不一致」は上記⑤の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。」に該当するかという形で争われます。
もちろん、「性格が合わない。」というだけで直ちに「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。」に該当することにはなりません
「性格の不一致」の具体的な内容により、既に夫婦関係が完全
に破綻していると言えるのかという観点から裁判所が判断します。

 従前、裁判所は、この夫婦関係が破綻していると言えるかという判断をかなり厳格に解釈・適用してきたと言えます。
このため、「性格の不一致」が離婚原因の場合は、裁判で勝つのは難しいという風潮もありました。

 ところが、近年、裁判所の「夫婦関係が破綻していると言えるか」という判断が少し緩やかになってきたのではいかと思われる動きも出てきました。

 例えば、「性格の不一致」が原因で別居に至った場合、「夫婦関係の破綻」の要素となりうる別居年数の判断が従前よりは短くなってきているように思われます。何年別居すれば夫婦関係の破綻と言えるかという明確な基準はありませんが、私の経験では、「性格の不一致」が原因で別居したケースで3年で離婚が認められると裁判官から示唆されたことがあります(あくまでも一つの例であり一般的な基準とは思わないで下さい。)。

 また、別居期間だけでなく、離婚を申したてている原告の離婚したいという強い意思が「夫婦関係の破綻」の重要な要素とされた場合もあります。

 ただ、いずれのケースも「性格の不一致」の具体的な内容が重要であることは言うまでもありません。
そして、その内容は、それこそ十人十色で、一人一人のケースによって異なっています。
したがって、「性格の不一致」が原因で裁判上の離婚が認めるか否かは、私見では従前よりは認められやすくなったと思いますが、結局は個々の事案によって結論が異なると考えて下さい。

 自分の場合は離婚ができる場合に該当するのかお悩みの方がいらっしゃいましたら、まずは家庭法律相談センターにご相談にいらして下さい。

                                                                                          以上

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