弁護士コラム~家事事件の現場から~家庭に関する法律相談を担当した弁護士がリレーでコラムを執筆しています。

親権者の変更について

2008年02月01日 その他

 今回問題となった親権とは、親が未成年の子の監護及び教育するために認められた権利及び義務をいいます。
Aさん(女性・・・当時34歳の親権者)は、8年前に離婚しました。
 その際、未成年者の子(当時10歳)の親権を夫Bさんとしました
 親権をBさんとすることについて、Aさんは当時あまり深く考えず、離婚後自分の収入が安定しないとの思いで、地方公務員であるBさんに親権を委ねることにしたわけです。
 ところが、その後、Bさんと同居するようになった子よりAさんのもとにSOSが発信されるようになってきました。
 どうやらBさんが子に暴力をふるうようになっているようです。
 そのような状況を知り、Aさんとしては、親権を自分のところに戻し、やり直したいとの希望をもつようになりました。
 とはいえ、親権をBさんに決めてしまってから8年もたっているのです。
それを変更することはできないのではないか、半ばあきらめていました。

 そんなとき、いつものようにインターネットを見ていたとき、弁護士会家庭法律相談センターのホームページを偶然発見したのです。
 ちょうど仕事先が家庭法律相談センターの近くであったこともあり、遅めの昼休みをとり予約して相談に行くことにしました。
 当日担当であったC弁護士の回答は、親権者の変更は可能である、とのことでした。
 そこで、Aさんは、早速その弁護士に依頼することにしました。
 依頼を受けたC弁護士は、家庭裁判所に親権者変更の調停申立をしました。
  
 この後、Aさんは、裁判所に計4回通うことになりました。
 Bさんも各回出席し、AさんBさんともに、各々意見を言いました。
 当初、Bさんには歩み寄りは見られませんでした。

 Bさんとしては(暴力等をふるっていたとはいえ)、現実に8年間、自分一人で子を育ててきたという思いがあったからです。
 調停は平行線をたどりましたが、何とか双方の話し合いがうまく進展しないか、2名の調停委員(60代の男性、女性、各1名)がAさん、Bさんの意見を根気強く聞き続けました。 

最終局面で家庭裁判所調査官による子供に対する調査がありました。
この調査は、調査官が子供に直接会って話を聞くというものです。
その際、子供は、Bさんの暴力行為を認め、その行為をいやがっており、Aさんと一緒に暮らしたい、などと言った意見を述べたことが大きなターニング・ポイントになりました。

親権者の変更を認めるか否かは、子供の今後に重大な影響を与えるものであることから、当事者である子供の意見を無視した解決はありえません。
 本件では、子供が調査官の調査で、Aさんの主張にほぼそう形の話をしたことが大きかったわけです。

最終的には、Bさんもおれ、親権者をAさんに変更し、未成年の子の監護養育をAさんがしていくことに同意することになりました。
 このようにして、この調停は無事成立しました。
 現在、Aさんは、子供と一緒に幸せに暮らしているとのことです。

 皆さんも、様々な家庭問題で悩んだとき、最初から諦めるのではなく、家庭問題の専門相談センターである弁護士会家庭法律相談センターで相談されてみてはいかがでしょうか
 きっと、よりよい解決への糸口がみつかるはずです。                                                                            
                                                   以上

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