弁護士コラム~家事事件の現場から~家庭に関する法律相談を担当した弁護士がリレーでコラムを執筆しています。

遺言書を書く際に見落としやすいもの

2017年02月01日 遺言

相続対策としていざ遺言書やエンディングノートを書いてみようと思っても,気づかずに見落としてしまうことがあります。今回は,実務上よく見落とされるポイントとして,遺言書やエンディングノートにおける財産目録作成時の注意点を確認してみましょう。

1.生命保険,死亡退職金

 生命保険金は,受取人が遺族である場合は,被相続人が死亡して遺族のもとに発生するものである以上,被相続人の財産(遺産)となるわけではありません。しかし,自分を受取人としていた場合には遺産となってきます。死亡退職金も,遺族の生活保障の趣旨であれば遺産とならず,給与の後払い的性格のものであれば遺産となります。これは退職金規定にどのような書き方がされているかで変わってきます。

2.貸金庫

 家族に内緒で貸金庫を持つというケースもあるようです。貸金庫については,やはりその契約自体が遺産というわけではないので,貸金庫の開扉,解約を遺言執行者の権限として明記しておかないと,遺言執行者が苦労することになりかねませんので注意が必要です。

3.未登記不動産,共有不動産

 地方の山林など被相続人が相続で取得した不動産の場合,被相続人の父親名義を変えないまま残っていたり,共有持分を持っている兄弟が使っていたりして,忘れられていることがあります。固定資産税も共有者の一人にしか来ませんから,気づかないまま放置していたということもあります。

4.貸金,借金

 貸金(債権)も借金(債務)もそれぞれプラスマイナスの相続財産になってきます。個人的な貸し借りがあるような場合,借用書などを仕舞い込んでしまうと遺族が気付かないということも出てきます。

5.絵画,貴金属等

 一見して価値が分からないものについては,遺産分割で揉めた場合,鑑定を行わなければならなくなります。価値が低いことが分かっていれば,「形見分け」という形で特に評価をしないこともありますが,いざ鑑定をするとなると高額な費用が掛かることにもなりかねません。評価額の資料になるものがあれば明らかにしておいた方が後々安心です。

6.その他

 名義書き換えのの必要な中古自動車,地方の別荘,株式,投資信託などについても見落としてしまうと手続が非常に煩雑になってしまいます。十分注意しましょう。

以上

一覧へ戻る
一覧へ戻る